強い馬づくり最前線: 吉田照哉競馬対談集 社台ファームの馬は何故強いか

競馬

社台のダイナーズの会員誌に載っていた吉田照哉氏と様々なホースマンの対談集。1993年の本だが、対談自体は1988年ころからのもの。
本題に偽りはなく、まさに世界のトップの調教師や、日本から世界に飛んだ騎手・調教師、栗東坂路調教を開拓した調教師など、本当に強い馬づくりの最前線に立っている人たちとのインタビューが載っている。質問のテーマはマニアックなもの多く、またヨーロッパとアメリカの違いなどもみられて興味深い。
なお、副題となっている「社台ファームの馬は何故強いか」についてはほとんど語られていない。なぜこんな副題をつけたのだろうか。


サンデーサイレンスのウィッティンガム調教師との対談もあるが、サンデー産駒は当然デビュー前なのでファーディナンドの話題しか出てこない。藤沢和雄氏もダイナアクトレスの主な勝ち鞍はNZT。橋口弘次郎氏も対談時はレッツゴーターキンの天皇賞前。まさに社台グループと対談者が最前線からさらに上に向かっていく際のインタビューで、よくぞこの時期のものが残ったと思わされる。

厩舎の月曜全休日については複数箇所に問題視することが書かれており、現在の外厩の繁栄もこういう問題意識から起きている部分もあるだろうなあ。

ちょっと興味深かったのがウッドチップだと落鉄が増えるという話と、ギャロップダイナの欧州遠征時に日本の装蹄方法について指摘を受けたという話。
また、特にヨーロッパの調教師との話では障害調教についても話が出てきている。時代的にブロードマインドが出る前の本なのだが、吉田氏的にメジロ・シンボリが席巻していた障害界になにか思うところがあったのだろうか。

会員誌のインタビューはほかにもあると思うのだけれど、活字本にはならないかなあ。

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