女性ながらJRA騎手を目指し、その夢が破れたのちもオーストラリアへの挑戦、地方競馬騎手への挑戦と、難関に立ち向かっていった渡辺さんの自伝。とにかく前向きにひたむきに頑張る姿が描かれている。様々な出来事が詳細に綴られている。日記でもつけていたのかな?
本筋のストーリーはとにかく読んでいて応援したくなり、また挑戦の結末が分かっているので非常に辛いものがある。それでも、最後は前向きに終わっているのが本当にすごい。ご両親を始め、周囲の人々がとにかくすごいし、これは渡辺さんが頑張っているからこそ周りもついてきているのだと思う。
本筋と直接関係しない部分で言えば、序盤は東海地区の草競馬について書かれている。1980年代のことであるが、高棚、豊川、高浜、碧南などで草競馬が開催されていたことや、幹事制があったことなど、今のネットには載っていない情報があって非常に興味深い。
故内藤繁春元調教師が渡辺さんのJRA挑戦をバックアップしていたことも知らなかった(オーストラリアに目を向けていたのもすごい)。そもそも女性を受からせる気がなかったと思われるJRAの姿勢は事実ならば大問題だと思うが、それは闇の中であろう。内藤氏は調教師定年後に騎手試験を受けたわけだけれど、JRAの制度について思うところがあったのだろうか。
年齢的に、中津の「Kちゃん」として登場する候補生は丸石喜美氏だと思うのだが、どうもデビューからまもなく引退されている様子。なにがあったのだろうか。この本の後日談とあわせて、気になるところである。
じゃじゃ馬ジョッキー: 幻の少女旗手TOSHIKO
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