安定の木村幸治氏の文章
本は橋本聖子氏が自転車の五輪代表になるところから。自転車とスケートの親和性は今ではよく語られるところであり、スケーターが競輪に多数入ってきているが、元はといえば橋本聖子氏が切り開いた道だともいえる。
そして、意識したことはなかったが、聖子氏に代表の座を奪われた人もいる。優勝劣敗の世界だから仕方がないのだが、その過程にも光が当てられている。鈴木裕美子氏はその後ロード種目でバルセロナ五輪出場を果たすのだから、本当にすごい。
本はその後父善吉氏の半生から聖子氏のスケーターとしての成長へとすすむ。聖子氏の父善吉氏がマルゼンスキーの生産者であることはよく知られているが、てっきり元々大地主だったのだと思っていた。ほぼ一代で牛の生産からサラブレッド生産へと事業をすすめていったのだとは知らなかった。それで海外のセリでシルを購入するところまでいくのだから凄い。
さらに、善吉氏の大赤字と最上恒産・早坂太吉氏とのトラブルについても軽く触れられている。競馬ファンとしてはモガミ軍団の黒さは漏れ伝わって聞いているところであったが、善吉氏とも一悶着あったのだなあ。
善吉氏の苛烈な人柄は本を通じてよく分かる。こういう人の子でだめになった人もいるのだろうが、聖子氏は生死をさまよう病気を経ながらも五輪代表、メダリスト、国会議員にまでなっているのだから凄い。
Both way Athlete橋本聖子
Both way Athlete橋本聖子
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