本屋さんに行くと言ってウルグアイの競馬場に行った 鍜治真起

競馬

パズル雑誌ニコリを創刊した著者がニコリを追いかけてウルグアイに行き、ニコリのルーツをたどってアイルランドとアメリカに行った記録。そして、ニコリ創刊と発展の記録。2本柱で話が進む。

ニコリは言うまでも無くアイルランド2000ギニーを制した名馬であるが、鍜治氏が元々思い入れのあった馬ではない、ということを知ってビックリ。この時代に、新聞に英ダービーの記事が載っていたとは。

ギャンブル紀行文として非常に面白い本。インターネットも無い時代、G1を1勝しただけの種牡馬の行く末を追いかけるなど、容易ではなかったはずで、特にウルグアイに行ったという情報をつかめたのは本当に凄い。様々な大物関係者が出てくるが、こういう人としっかり話ができ、結びつきを作れたのが鍜治氏の凄さなのだろう(本の中では適当な雰囲気を出しているけど)。

「名所旧跡の類にとんと興味が無い……男がニコリの歴史をたどっている。取材というより、残したいというより、自分の落としまえとしてここにいる。ニコリを知りたい、という欲求だけでここに来ている。」(173頁)という部分は名文。熱いし、非常によく分かる。

本屋さんに行くと言ってウルグアイの競馬場に行った
本屋さんに行くと言ってウルグアイの競馬場に行った

コメント

タイトルとURLをコピーしました