恋唄に恋して　前川清

コイウタのG1制覇を機に書かれた本。
帯には芸能生活40周年記念出版とあるが、コイウタのタイミングもあり、１・３・５章と半分が競馬関係。２章が主にクールファイブのデビューまで、４章が萩本欽一氏との関係やソロ活動など。6章が総まとめ。

Wikipediaに出ている、コイウタ勝利時の裏話などの元ネタはおそらくこの本。半分持っていた吉田照哉氏の営業力の高さも分かる内容。

芸能人の本らしく（ライターは別にいると思われるので）非常に軽い文章で読みやすい。競馬にしか興味のない私（クールファイブ前川さんの歌と言われても何も浮かばないし、コント54号と言われてもなにも浮かばない）でも、芸能パートを読んでいて苦にならなかった。

競馬関係についてはおそらくライターさんの知識不足からところどころミスがある（132頁にはアンブラスモアのG1・3連戦というミス、165頁には目黒記念とステイヤーズSに関するミス）が、それは気にしてはいけない。

前川さんが馬主になったのは春日八郎さんの影響……と思われているが違うこと、吉田善哉氏と知り合った経緯などもさらっと書かれているし、前川さんが思いの外競馬にはまっていることが分かる。
アンブラスモアについては、萩本氏と共有になった経緯などは書かれているが、引退時の話はなし。基本的にあっさりした本なので仕方がない。ただ、積極的に馬を処分するタイプの人には読めなかったな。そんな露悪的な本を出す芸能人がいるのかは分からんけど。

馬主さんが出している本は少ないので、芸能人本・あっさりした本とは言えやはり面白い。とはいえ、この本、想定読者は誰だったのでしょうか。