やってみたらええやん―パラ馬術に挑んだ二人 和田章郎

競馬

リオ・東京パラリンピックの馬術競技に出場した宮路満英氏と配偶者の宮路裕美子氏を追った本。

生い立ち、厩務員時代から、発病、パラ馬術に向かい、リオパラリンピック、東京パラリンピック、そしてその後の世界選手権についてまで語られている

元厩務員が半身麻痺になってパラ馬術に挑むというと、元厩務員だからJRAも手厚いし周りも色々とサポートしてくれたんだろうな、と思ってしまうが、結果的に東京パラリンピックは国策で追い風が吹いた部分があるにせよ、宮路満英氏の前向きな、何にでもトライする精神がまわりを動かしているのであり、(当たり前だが)周りが勝手にお膳立てしてくれたわけではないことが分かる。

非常に細かく、しっかりと取材されており、本当に宮路氏の半生を読むことができる。競馬ブックに所属しながらよくぞここまで競馬と(直接)関係のないことを取材したものである。

また、読んでいると、馬術競技、パラ馬術競技の基礎的な知識も入るようになるので、これから(パラ)馬術競技を見る人にも最適な本である。

あと、内藤繁春氏、ここでも出てくるのか、という感じで、こっちが想像している以上に先進的な人だったのだなあ。

現時点でパリパラリンピックの出場権はどうなるか分からないが、宮路夫妻、あるいは他の選手達が少しでもいい競技者人生を歩めることを願いたくなる。

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