(日英レートで若干変動するようだが)売上世界一のレースである有馬記念をテーマにした本。
有馬記念の紹介、有馬記念の成立、時代の特徴、データ、名勝負、未来についてと、6章立て。
阿部さんらしく読みやすい文章で、歴史パートも分かりやすい。
名勝負として選ばれたレースも頻出するTTGやグラスペにとどまらず、カブトシローやストロングエイトなど幅広い。
最終章で未来について語っているのも、単なる紹介本にとどまらない良さがある。
有馬記念の性質は阿部さんが指摘しているように変わりつつある。2020年にアーモンドアイvs牡牝三冠馬の対決がおこなわれたのがジャパンカップで、その後3頭とも同年の有馬記念にでなかったことなどが象徴的だし、インターネット投票もされるようになって関係者の皆さんがどこまでファン投票1位にこだわりを持っているのかもよく分からない。
それでも庶民の競馬である日本競馬を象徴する、世界に例を見ないレースであることには、今も変わりない。
そんな、有馬記念の紹介として、20年前の本ではあっても今なお読んで面白い。
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