事件・真相というインパクトのある言葉が表紙に出てくるが、別に事件の真相に迫るだけの本ではない(たとえばアイネスフウジンの小林オーナーについて、破産でなく自殺を選んだ理由が述べられている訳ではない)。
あくまで、特定の出来事やテーマを「事件」として、それについて著者が語る本。ザ・別冊宝島な本といえる。
出てくるテーマは、道川騎手対東スポ、赤木騎手のJRA合格、小田切馬名が通るようになった経緯、ラガーレグルスの哲三騎手インタビュー、地方競馬の廃止ドミノ、ファーガソンvsクールモア、JRAのイメージCMなど、ここでしか読めない話が多い。もちろん文章の内容は玉石混交であり、それも含めてまさに別冊宝島の真骨頂という本。
これが文庫として残されているのは本当に素晴らしい。
競馬裏事件史 これが真相だ!! (宝島社文庫)
競馬ファン必読!! あの仰天事件の舞台裏 田原成貴の「競馬界追放事件」、「八百長」疑惑を受けた天才騎手の報道被害、アイネスフウジンオーナーの栄光と挫折、名馬「シャーガー」誘拐事件など、国内外で起きた競馬にまつわるスキャンダラスな事件の舞台裏を明かす!
なお、1点、渡辺敬一郎氏はルドルフの菊花賞が11月18日でジャパンカップまで連闘したとしている(252頁)のだが、これはどういう事情で出てきた話なのだろうか。当時の状況が分からないのだが、菊花賞がどこかのタイミングで1週間前倒しになったのかな?
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