90年代後半戦。名勝負という題名に反して名馬列伝方式なのは前半と同じ。重なっている馬はナリタブライアンのみ。さすが三冠馬である。
マヤノトップガンを菊花賞で使ってしまったために、この手の名勝負本で頻出する天皇賞春が出てこないのが逆の意味で特徴的。そういえばサクラローレルも登場しない。また、サイレンススズカも出てこない。
この本ならではの馬というと、ワンダーパヒュームが(ライスシャワーが前半で使われたために)京都の悲劇枠として取り上げられている。案外忘れられているタイキフォーチュンやファビラスラフインがいたりするのはちょっと嬉しい。
また、今回もコラムが吉川良氏、柏木集保氏、沼田恭子氏と充実している。
脚注の取り上げ方が特徴的(なぜ水沢競馬場だけを脚注で説明したのか)だったり、大西直宏騎手について初重賞制覇(アラブ大賞典を除く)が皐月賞などという面倒な紹介方法をとったのかというあたりがちょっと面白い本。
競馬 伝説の名勝負 1995-1999 90年代後半戦 (星海社新書 196)
「最強世代」の熱き戦い 1995年、サンデーサイレンスの初年度産駒が4歳時(当時の馬齢表記、以下同)を迎えると、ジェニュイン(皐月賞)、タヤスツヨシ(日本ダービー)、ダンスパートナー(オークス)がクラシック競走を制覇。以来、4歳で天皇賞を制したバブルガムフェロー、古馬路線で牡馬を蹴散らした「女傑」エアグルーヴなどの名馬...
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